ケータイ小説 野いちご

ヤクザを愛したヤクザ

始まり
真夜中の出来事



雨が降りしきる真夜中の路地裏。
私は傘もささないで目の前の男に拳銃を向ける。


「夜嘉、嘘だろ…?そんな…」

『最初から全部嘘だよ。私は貴方を好きじゃない。
…なんで私が貴方の名前呼ばなかったかわかる?』

「わから、ない」

馬鹿だね。
そんな理由一つしかないじゃん。

『興味がないからよ』

好きでもなく興味がない。
だから名前なんて覚えない。

でもそれは可哀想だから最後に哀れみを込めた嘘をつく。
私は嘘つきだから。

『好きだよ。だから、  さようなら』

パァン―――…

銃声が夜の静寂と男の心臓を貫く。


あーあ。今日はびしょぬれだ。
血と雨が混じり異様な匂いが鼻をさす。

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