「あ、宮間じゃん」

ほら、今日も私の耳に入るのは、あいつの声。



毎日のことなのに、思わず苛付いて振り向く。

これは一種の癖かもしれない。


「赤堀っ!」



私が近くに来るたびに、さっきみたいに私の名前を呼び捨てにする後輩。

あいつの名前を呼んだ。



「何度も言うけど、私は一応先輩なのっ!!

呼び捨てとか・・・本当何様ですかっ!?」


「『一応』とか自分で言ってるし。

自分でも分かってんじゃん。

『一応』先輩だって」



意地悪に笑いながら、言い返すのは


赤堀 成(あかほり せい)。