「……あっ……。あの、やっぱり……」


「痛いだろうけど、我慢して」


「うん……」


「いくよ」


「……っ……ん…………」










「いったぁぁぁぁいっっ!!!」












あたしは、鏡を見ながら微笑んだ。


「初めてだったから慣れてないってのはわかるけど、ちょっと叫びすぎじゃない?」


いろいろな角度から鏡を覗き込んでいるあたしに、祐貴[ゆき]が呆れ顔で言う。


「だって仕方がないでしょ!こんなに痛いと思わなかったもん!」


確かに、さっきまでは痛くて泣きそうだった。


でも今は、大人に一歩近づいたような嬉しさで、それどころじゃない。


「まったく。……先生に何か言われても助けないから」


「わかってるよ!祐貴には迷惑かけないからさぁ」


あたしの隣で、祐貴がまた、ため息をついた。