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次の日の、月曜。

2限目の数学が終わったあと、日下先生に呼ばれて、廊下に出た。




「ちょっと話せるか」



そう聞いてきた先生は、昨日とは違って声も表情も落ち着いていて。

怒っている感じじゃ、ないみたい。


それにほっとするけど、気まずいのは変わんないや。



うなずいて、先生についていこうとしたら。


腕をぐいっと、後ろに引かれた。




「凛をどこに連れていくんですか」



清春がいつの間にか傍にいて、日下先生を睨むように見上げていた。


もう清春は事情を全部知っている。

知ったうえでまだ、日下先生を敵視してるんだ。




「ただ、話しをしに行くだけだ」


「ここじゃできない話しですか? 次の授業がすぐ始まりますよ」


「清春……」




喧嘩腰な清春に、日下先生は短いため息をつく。


でもあたしを見ると、ほんの少し、表情を和らいだ気がした。

思わず目をそらしたくらい、優しい目をしてた。