金沢が作ってくれた焼酎の水割りを一口含むと、濃い焼酎の味がした。水より焼酎の分量の方が多いんじゃないだろうか。


「相変わらず忙しそうだな?」


 濃い水割りをゴクッと飲み込み、顔をしかめながらそう言うと、


「仕事の話なんかしたくない」


 と金沢に言われてしまった。


「あ、そう。そうだ、肉じゃが食おうかな。金沢は?」


「食べる……」


「ん。すみませーん!」


 店員に肉じゃがを頼み、ふうと一息つくと、「河村君は……」と金沢が呟いた。


「ん?」


「私なんか……嫌い?」


 真剣で、かつ、ちょっと泣きそうな顔で、金沢はそう言った。