欠伸を噛み殺し、眠気を覚ますかのようにコーヒーを口に含む。 「お疲れだね」 横から声がしたと同時に自然と肩に手を回して引き寄せられた。 「浩介、近い」 「瑠李、このあと呑みに行かない?」 同期で就職したこの男は、どっかの小鳥と同じ質らしく目が合えばちょっかいを出してくる。…拓夢みたいに可愛らしさはないから、尚更鬱陶しい。 今夜もまた呑みに誘う裏側のもうひとつのオサソイ。