「あずみちゃん、早く!」




「待ってください、順番ですから!」




沖田さんと原田さん、そして後から呼んだ隊士さんたちのおかげで、なんとか夕餉は間に合った。




お釜で炊いたご飯や、おかずを一人一人に配っていく。




「…きゃ!」




木の出っ張りに突っ掛ってしまった。




屯所は日が暮れると真っ暗になる。



勿論、スイッチを押せばパッとつくような電気もないから、こういうみんなが集まる場では蝋燭(ろうそく)で対応している。




移動の時は行灯、持ち歩ける照明、あんどんを使うんだよ、と沖田さんが教えてくれた。




それにしても、不便すぎる。



いくらみんながいるからといえ、この暗さは怖い。