俺が恋理をすきなことは、俺の定義ですらあると思う。 例えば誰かに、「音崎恋理はなんだ?」とかーー少し意地の悪い、そして解答のない問いかけをされたら、 ひむでも安里でも、誰でも答えるだろう。 「長部彼方が生きた証だ」 と。 それくらいに恋理は、『俺』をつくっていた。 けれど未だに恋人を名乗る段階ではなく。 恋理が大すきで大事だけど、ひむのことを切り捨てることも出来ないでいた。