「氷室くんて、お父さんと二人暮らしなの?」 「あー、うん。愛理さんはだいぶ前に亡くなってる」 「…愛理さん?」 「ひむのお母さんよ。なんか愛理さんて呼んじゃうのよねー」 休みが重なれば、一緒にいることが多くなった公園。 家族の話になって、氷室くんは父子家庭と知った。 「そうなんだ…。でも、名前は恋理ちゃんの方が似てるんだね」 「あー。恋理はお母さんの名前が愛良(あいら)さんで、愛理さんの妹だから」 「………」 え。