ピピピピ…


また、だ。




「嘉の携帯、最近よく鳴ってねぇ?」

「うん…まあ。」

「イタ電か!?」

「違うよ。」





電話をかけてくるのは、未也美さんだ。


連絡をとることなんかないだろうと思った彼女からは、予想に反して頻繁に連絡がきた。





「はい。」

『嘉、いま大丈夫?』

『ええ。』




大丈夫そうな時間を見計らってかけてきていたんだろう、未也美さんからの電話は大方がヒマな時間にきた。





『今日ね、学校でね―――』




他愛もない彼女の話は、ほとんどが大学のこと。


それも、授業で楽しかったことばったかりだった。