お弁当を広げて待っていると、頬に傷をつけた剛が満面の笑みで帰ってきた。

「その傷どうしたの?」

「限定の特製カレーパンどうしても食いたくてさ。名誉の負傷。」

そう言ってニカッと笑った。

本当食い意地張ってるんだから…。


「で、買えたの?」

「おう!しっかり2個な!」

「2個も食べるの?」

限定なのに、1人で2個も?


「これは、お前の分。」

そう言って私の机にポンとカレーパンをのせる。

剛は耳が赤くなったのを誤魔化すように、顔をくしゃっとさせて笑った。


「…ありがとう。」

私にまで伝染してきて、頬が熱い。