楓が大和くんから家で一緒に花火を見ないかと誘われて、一人で行くのは緊張するからと付き添いすることになった。


楓はかれこれ3年近く、大和くんはきっと3年以上楓のことを好きなんだと私は推測している。

でも2人とも奥手だから、なかなか2人きりになれなくて、オマケに茶化す馬鹿な男子のせいで、ますますぎこちなくなっていた。


いきなり家に2人きりなんて、ハードルが高いと思うけど、花火大会の会場に行けば同級生も大勢いるだろうし、のんびりペースの2人には合っているのかも知れない。


浴衣を着た楓にメイクを施して、一緒に大和くんの家に向かう。

気になるのか何度も何度も髪を触って、不安そうな目を私に向けて大丈夫か問う楓は好きな人に少しでも可愛く見られたい純粋な想いが溢れている。