彩音side


ピピピピ…

「……ん…」

ピピピピ…

「ん…もう朝…?」


携帯のアラームで目が覚めた私は眠い目をこすりながら携帯のアラームを止めた。


…………。

ボーッとする頭を抑えて、だんだんとはっきりとする意識と視界。



……………………。



「ッ…えっ?」


なっ…なんで柾樹が横にいるの…!?


明らかに私の部屋ではないし、布団も私のものじゃない。動揺したままふと横に目を向けるとそこには柾樹の姿が…。

寝ている柾樹はいつもの口の悪い彼と違って、とても可愛い寝顔だった。
いつも黙ってたらいいのに…


「…はよ…」


なんてまじまじと柾樹の寝顔をみてた私に気がついたのか柾樹のバッチリ開いた目と視線が合った。



「うわぁっ!………わ、私、昨日ソファーで………寝ちゃった系?」


至近距離から射抜かれた私は、大声で叫びながら後ろに仰け反る。

腕をコキコキならしながらうるせーよって目で睨まれた。


「そ。お前少しは痩せた方がいいんじゃね?」


「うっ…うるさい!どうせ私はデブですよっ!」


一緒に布団で寝た事よりも無神経な柾樹の言葉にキレた。



「…俺寝るから1時間後に起こして」


1人怒る私を無視して、柾樹は既に目をつむりながら言って3秒後には再び眠りについていた。

…の⚪︎太くんかな?
柾樹のあまりのマイペースぶりに1人置いてけぼりな私。

とりあえずと確認した時計はまだ6時30分。
私の携帯は部屋にあるはずだから…


なんでまた柾樹の起きる時間じゃないのに携帯は鳴ったのか…

私のため…?自惚れって言われるかもしれないけど、そう解釈した私はご機嫌で部屋に戻った。

化粧をして制服に着替えて
機嫌が良い私は鼻歌なんて歌いながら柾樹の分のご飯も作ってあげた。



『時刻は只今7時30分です〜』


ぼーっと朝のテレビを見てた私はお天気お姉さんの言葉にハッとして携帯を開く。



「もしもしもう1時間経ったよ〜朝ご飯作ったから一緒にたべよ?」


テンション高めの私は無言の柾樹にそれだけ言って電話を切った。


もう先に切らせはしない!