「え、観覧車…?」



先輩に急いで連れてこられたのは、とてつもなく大きい観覧車。


一周何分かかるんだろうと思わせるそれは、そんなに人は並んでなくて。



「これ乗ろ?」



振り返ってにこっと笑う先輩は、スタスタと短い列へと歩いていって、最後尾に並んだ。



「あの…先輩、何をそんなに急ぐ必要が…?」



隣に並んでいる先輩を見上げながら聞く。



どう見てもそんなに人はいないし、あんなに急がなくてもきっとすぐに乗れるくらいの人の集まり。


不思議に思いながら首を傾げていると、「ははは…」と先輩は苦笑しながら私を見た。