「ねぇねぇ、雪乃ちゃんたちってさ。もうデートとかした?」
「…デート…ですか?」
3月。
心地よい風が吹く屋上で、私、北川雪乃は首を傾げた。
私の目の前でにこにこしながら楽しそうに聞いてくるのは安西さゆり先輩。
「雪乃も三浦くんと付き合い始めてだいぶ経ったじゃない。もしかしてまだデートしたことないとか言わないわよね?」
「…えーっと…」
そう言って長い足を組みながら私を見てくるのは宮崎明日香先輩。
先輩である二人を目の前に、私は何と答えようか少し悩んでから、恐る恐る口を開いた。
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