――悪い子は砂糖菓子を食べてはいけません。




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明け方に嫌な夢を見た。

血なまぐさい、感覚を伴う夢だった。
 

ぐったりと椅子にもたれていたコロが目を覚ますと、夢の続きのように血まみれの十二愛が傍らに立っていた。



「おはよう、コロ……」


「十二愛……」
 

コロは、思いつめた表情の彼女と、その出で立ちを前に、困惑していた。


「十二愛、その汚れは……?」


「マスターの部屋を、もう一度調べてみたの。


それで……」
 

彼女の色鮮やかなドレスは、焦げ茶色の、無残な沁みに汚染されていた。





 「私、見つけたから……」





何を、とは言わなかった。
 


彼も、尋ねなかった。