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蝶子は、深夜に“犯人”を自室に呼びだした。
 

たった一人で、“犯人”に罪を問いただしていたのだった。


「――私の推理、正しかったかしら?」
 

“犯人”は、何も答えない。
 

下を向いたまま、ただ彼女の言葉に耳を傾けている。


「……アリバイなんて関係ない。


最初からこの殺人は、あなたにしか、出来ない事だったのよ……」
 

彼女は“犯人”に、爬虫類のように無機質で大きな瞳を向ける。
 

蝶子は、自分勝手な行動をしていながらも、誰よりも早く真実を掴み取っていたのだった。



「でも、一つだけ分からない。


あなたの動機は、何だったの……?」