会って 別れる時
何度か 別れるように仕向けた。

いや、会う前はいつも
別れ話を用意していた。

最後まで 彼女の財政を
支えられる自分なら
全てを受け入れる。
最後までは無理、
それほど、彼女の身の回りの状況は
不幸の塊りだった。

その不幸話の数珠つなぎは
詐欺師のそれ というより
悪質なギャグのオンパレード。

ホンモノの詐欺師なら
頃合を知っているだろう。

誰も考えつかないような
あの手この手を
繰り出してくる彼女は
まさに詐欺師なら天才、
詐欺師の班長になるべく逸材。

それほどまでに
凄まじい不幸話。

しかも、新聞にも
載っちまう
親の死まで
企画してしまう。