次に目を覚ますと、桜は闇の中にいた。 何もない、上も下も分からない中、桜はふわふわとした浮遊感を只一人味わっていた。 (うわ何…これ…) 桜は何故か冷静でいられた。 仕事で暗闇には慣れているからか。 それとも自分には「驚く」という感情さえもう既に無いのか。 自問自答を繰り返していた。