どういう状況なんだろう、これは。

ぬるくなった紅茶を静かに飲みながら、私は他人ごとのようにそう思っている。

ここはありふれた小さな品の良い喫茶店。

私は今日、母の紹介によるお見合いをしにここに訪れた。

しかし、目の前には男性が2人。

別にはじめから2人いたわけではない。

1人はたった今乱入してきた。


どうやら見合いをぶち壊すために。


柔和そうな見合い相手とは正反対の容姿のその人は、少々性格が荒そうだがまぎれもなく美形だ。

その美形が青筋たてて怒っている。

これはなかなか迫力がある。

一方見合い相手といえば、そんな彼に怯えるでもなく、なにやら苦悩したように眉をよせて黙っている。

この態度の対等性から察するに、2人は身内もしくは親友なのだろう。

そして話している内容といえば、


「マリのことはどうするんだよ!」


女の話だ。