「主任!これを見て下さい!ブームではなくて、同一人物だったんです!」



イタズラ電話から1週間。

七星が電話の主を突き止めて来た。

動画から切り抜かれた画像のコピーは鮮明ではないが、何となくオタクで、若さは感じれる。



「ネットカフェの利用者履歴から、身分も割り出せました。桜井誠-サクライマコト-、木ノ島高校3年の男子学生でした」



「……高校生がねぇ;;」



何が目的でしたかったのか。

七星が動画で確認した際、電話をしてる様子はあったが、1人で怪しい動きは見られなかったらしい。

だが、18歳で夜間でも入店が出来て最適な場所だったには違いはない。



「どうです?会ってみませんか?」



事件としては扱えないが、注意喚起に行くには良いだろう。

斗志樹と七星の3人で、時間外労働にはなるけど張り込んで見るかな。

電話は気持ち悪いけど、何故そんな事をするのかは聞いてみたい。

……気がする。



「大丈夫!俺が守ってあげるから!」



「あんたに守られるほど、落ちぶれてない」



「……お姉ちゃんがそんな事を言ったら、弟は悲しいよ」



「小学生か!」



七星は昔、私をお姉ちゃんと呼んで居た。

でも、中学生になった七星を待ち伏せし、暇潰しにどっか行こうとしたら、恥ずかしかったのか、顔を赤くしながら怒られた。

「愛依ちゃん!お姉ちゃんみたいな事しないで」と。