低年齢化を実現した、【木ノ島警察署】の刑事課。

40歳以上が活躍をして居たけど、私が今日から主任を務める条件として、40歳以下で構成して貰った。

何故それに拘ったと言われたら、きっと祖父母を上げる。

50歳を過ぎても一線で活躍してた裏側は、出来損ないの集まりだったからだと、私は思う。

だから、疲れてる祖父母みたいな人を見ない為にも、私は平均年齢を下げ、人員も私が選抜する事にした。

さすがに課長まで推薦するのは無理だったけど。

時は4月。

私が嫌いな、春からのスタート。



「坂田ーサカター署長、おはようございます」



「おはよう、愛依。今日から頼んだよ」



「はい。お任せ下さい」



課へ行く前、署長の所へ顔を出した。

坂田署長は、叔父さんの同期。

両親の先輩。

だから、私を名前で呼ぶ。

これは公私混同ではなく、名前を呼ぶのは“これも絆”と、お祖母ちゃんに言われたから。

それに小さい頃から名前で呼ばれてたのに、いきなり“難波”と呼ばれてもしっくり来ない。

署長室を後にしたら、次に刑事課の課長室へ。

これが、私と彼の初対面だった。

胸元で輝く指輪が、何故かいつもより揺れが大きかった。