「何、俺に会えたのがそんなに嬉しいの?」 甘美な低い声と共に綺麗な口元が上品に緩む。 「な…違、う。」 あんなに必死に追いかけていたのに その瞳に捕われた瞬間、魔法にかけられたように身体がピタリと動かなくなった。 前にも一度経験したことがあるこの感覚…。 頭がボーッとして働かない。