♪雫SIDE♪

「いねぇよ」 「この家には」

結城くんがベットに入ったまま、あたしにそう言った。

その、たったの二言がとても寂しく感じた。

まだ、なにも言われてないのに。
無性に、悲しくなった。

それに、そう言った結城くんの瞳がすごく冷たかった。

「それって…」
「重苦しい話になるけど。聞く?」

あたしの方を向いた結城くんの瞳は、さっきまでの、冷たい瞳じゃなくて、その瞳は、ほんのすこし、寂しそうな気がした。

あたしは、ただ頷いた。

なんとなく、声が出せなかった。