あれから数日。 あたしは慎也と会う約束をして、仕事帰りに待ち合わせ場所である駅前にいた。 あ、いた。 「――慎也!」 あたしは慎也の姿を見つけ、手を振る。 「悪い、待たせたな」 溢れ返る人混みを掻き分けるように、スーツ姿の慎也があたしに歩み寄ってきた。 「お仕事、忙しかったの?大丈夫?」 「あぁ。ある程度は片付けてきた」 慎也はあたしを優しく見下ろす。