「汐莉ぃ〜」 「カナ…。どうしたの?」 翌日の朝、オフィスに入るなりあたしに泣き付いてきたのは北山カナ。 あたしと同期の24歳。 ふわふわした金髪に、派手目のメイク。 見た目は派手だけど、中身はすごく真面目でいい子。 「カナ、とりあえずオフィス出ない?ゆっくり話せないし」 あたしは自分のデスクに鞄を置くと、カナの背中を撫でた。 「……っ…うん…」 カナはハンカチで涙を拭きながら頷いた。