八千代が神事の業に西の祠に篭もってから、 ひと月が過ぎようとしていた。 八千代は、祐里を神の守に据えるべく、密かに交代の神事を執り行っていた。 祐里は、潤ってきた神の森を見て回るうちに、 桜河のお屋敷が恋しくなり、光祐に逢いたい想いが募っていた。