「あんた昨日入学式サボってどこ行ってたのよっ!?

しかもいつの間にか帰ってるってどういうこと!?」



「いっ、いろいろと不運な事態に巻き込まれてまして………っ。」




次の日の学校で



あたしは自分の席で小さくなりながら、親友の中村蓮(ナカムラレン)に大説教をくらっていた。



蓮とあたしは幼なじみ。蓮のお家とは家族ぐるみの付き合いだ。



面倒見がよくて姉御肌な蓮は、そのまんまあたしの姉みたいな存在で…小さな頃から頭が上がんない。



ちょっとつり上がった猫目が印象的な美人で、素晴らしいスタイルも相まってあたしとは真逆で実に大人っぽい。



あたしの自慢の親友だ。



でも…



「聞いてんの…!?

このバカ子!!

あたしがどんだけいなくなったあんたを探したと思ってんのよ!?」



「ごめんなさいですっ!!

蓮ねぇさま~~っ!!」



その迫力に、あたしはひぃ…っ!と、縮みあがり…低く低く頭を垂れた。



そう、








怒る蓮は鬼より怖い……。










これもみんなあの変なイケメンのせいだ…。



中々終わりを告げない説教に妙な責任転嫁をしながら、



窓の外にぽかりと暢気に浮かぶ雲を見て気をまぎらわせるあたしだった……。









「ちょっと……聞いてんのか!!?」



「はいぃっっ!!!」