なにがっ!!



なにが“自分ではもうシンは止められない”だ。



いくらでも止める方法はあったんだ。



シンを殺して俺も死ねばよかった。



溜り場に火を放っても良かった。



だけど。



だけどそうしなかったのは、俺が弱かったから。



どこの世界に自分の“愛する奴”にシンを・・・悪魔を殺す手助けをさせる奴がいるんだよぉ!!



俺はどこまでも最低で最弱な奴なんだ。



「あぁ。リトか?・・・あぁレナを今から狂獣連合に引き渡す。あいつらも捜してんだろう?」



電話の向こうが騒がしい。



たぶんPoseidonの溜り場にいるんだろうな。



「あぁ。そうだ。それで頼みがある。」



電話を切り、空を見上げる。



レナ。俺はお前を最後まで守り抜けるという自信がないよ・・・。



恥ずかしながら今だって、お前を狂獣連合に引き渡すだけで手一杯だ。



カッコ・・・・わるいよな・・・・。