「お兄さん!ケーキ買わない?
定価5800円の所が、
今ならなんと500円!
何故ならあと1時間でクリスマス当日だから!」

妙なハイテンションを作り出し、
下を向いて歩いていたお兄さんに声をかけ、見事上を向かせることに成功。

今度のターゲットはこの人だ。


彼は、恋人がデカいホールケーキを食べたいと言うから、暫く節約に節約を重ね、
今日の為にちゃんと予約して、今取りに行っていたはずだった。

しかし、予約していたはずの限定ケーキは、ダブルブッキングで売り切れ。
さらには他のホールも売り切れ。
前払いしていたのに、返金も明日以降にしろと言われて散々。
酷い店に当たったらしい。


……そこまで調べついて予測できてるんなら、先にどうにかしろよ。
そう思われるかもしれないが、
プレゼントリストは、予め決まっている、
さっきの店員のような場合と、
急きょ文字が浮かんでくる場合がある。

これは後者のケースだ。


そんな彼に、さっき買ったケーキを、
投げ売りだと納得させて買わせる事に成功。

こんな感じで、いくつかケーキを減らしてきた。

味は良いはずだから、きっと喜ぶだろう。彼も、その恋人も。

予約していた店は、
見た目ばっかりで味はいまいちらしいから、結果オーライだ。


受け取った500円は、サンタ力で微妙に飛ばして、彼のポケットへ。


よし、これでまた1つ完了だ。