家の近くまで来た。時刻は間もなくお昼。間に合っただろうか……

 それより、どうしたら陸の彼女を目撃出来るんだろう。まさか陸の車に乗せてもらうわけには行かないし、尾行しようにも、私は車もバイクも持っていない。それ以前に、免許がないしね。


 無駄足だったかなあ、と思いながら通りの左側を歩いていたら、前方からピカピカに光る青い車が走って来た。もしかして、陸?


 運転手を見たら、まさしく陸だった。


 陸の車は、私の斜め前でキッって感じで停止した。一瞬、私に気付いて停まったのかなと思ったけど、そうではなかった。


 陸の車に、笑顔で駆け寄る女性がいた。夏姉が言ってた通り、顔はとても綺麗だけど、服装はすごく地味な女性だった。