夏の猛暑は過ぎ、日に日に秋めくある休日の昼下がり。リビングに集まった姉妹4人は、いつになく無口で、その時が来るのを待っていた。


 一番上の春姉は、ビジネス雑誌を膝に乗せ、平静を装ってはいるけれど、意識は玄関に向かっているのが見え見えだ。


 次女の夏姉は、なぜか頬を赤らめ、モジモジしている。


 三女の私は、口にこそ出さないものの、「来るなら早く来やがれ」と心の中で毒づき、末っ子の冬は、マンガ本を見ながらニタニタしている。


 ピンポーン♪


 呼び鈴が鳴ると、みな一斉に玄関へと目を向けた。