私がさっき、頭を抱えるほど悩んで
いたのには理由があった。

~3時間前 相談室。~


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相談室の内線電話がなった。

「げ。また、医事課(※医療費の請求を
担当している部署)かな。」

今日は事務がわたわたしてて問い合わせがすごく多かった。

「また、花菜の担当の遠藤さん。
請求踏み倒しちゃったじゃないの~。」

なんて、同期の門崎奈南(かんざき なな)にからかわれながら
電話に出た。

「お電話代わりました、西村です。」

「あ。花菜~。オレだけどさ、ちょっとワケありの患者さん
お願いしたいんだよね。
三階のカンファレンスルーム
予約しとくから来てくれない?」

(相変わらず軽いなぁ。)

なんて思ったけど、やっぱりカッコ良い先生とお仕事できるのは
テンションが上がる。

「わかりました。
これからすぐでよろしいですか?」

舞い上がってることを気が付かれない
ように冷静を装って、
大和先生に返事をした。

「お願いね~。」