7階の相談室から1階の受付まで
向かう間に、奈南とこれから会う
消防士の人はどんな人なのか
話していた。

「電話で話した感じは
若い人だったよ。」

「でも、声じゃカッコイイか
分からないじゃん。」 

「ま~ね~。」

「でも、あの制服着てれば
5割増しでカッコイイね。」

そこは、私も奈南も見解は一緒だった。
1階に着いて、ちょっとはしゃぎながら二人で歩いていると、

受付が遠目に見えきて、それらしき
制服を着た2人の後姿が見えた。

「なんだか緊張してきた。」

なんて奈南が言っていると、

「2人揃ってどこ行くの?」

と声を掛けられた。
声の主は大和先生だった。

「大和先生。」

「実はこれから消防士さんと
設備点検なんです。」

奈南が満面の笑みで嬉しそうに言うと
大和先生もその笑顔に気が付いたようで

「奈南。嬉しそうだね。」

「私、制服姿の男の人が
好きなんですよね~。」

と、奈南がうっとりしながら言うと、

「オレも一応白衣
着てんだけどなぁ…。」

と悲しそうに大和先生が呟いた。