「ドンマイ、花菜。
まぁあたしは、あの勢いで
忘年会の幹事を押し付けられたよ。」

呆然と立ち尽くす私に奈南が
声を掛けてくれた。
私達はお互いに慰め合うように、
見つめあって頷いた。

「とりあえず、飲むしかないよね。」

「慎治(しんじ)君とこ?
行く、行く。」

慎治君は奈南の幼なじみで
私たちが良く一緒に行く
飲み屋のオーナーだ。

まぁ従業員が彼ひとりのような店
だから、バーテンダーのように
シェーカーを振ったり、
料理も作ったりもする。

そして、飲み物も食べ物も
勿論美味しいんだけど、
慎治君もカッコ良い。

(カッコ良い人は見てるだけで幸せ。)

とっいうわけで、早速私たちは
慎治君のお店へ向かった。