「お久しぶり~。元気だった?」


「え? あ、ああ、まあね」


「お腹空いちゃったから、何か食べよう? ね?」


「あ、ああ、そうだな」


 俺は、「何にしようかなあ」と言いながら、メニューをめくる遥を呆然と見ていた。


 遥って、結構化粧が濃いんだな。服もおしゃれだし。

 それに比べると結衣は、地味だよな……

 以前はそんな事はなかったはずだ。いつもドレスを着て、頭の上から足の先まで、全身がゴージャスだったと思う。

何であんな地味になったんだ?


 ああ、そうか。俺はあいつからクッレジットカードを取り上げ、金は一日に二千円しか渡してないから、おしゃれをしようにも金が無いのだ。

 それは俺の彼女への虐めの一環なわけだが、ちょっと、可哀想だったかなあ……