この世界は均衡が崩れ、破滅が近づいていた。

世界の均衡を保つことのできる勇者が現れるという
言い伝えが広まっていた。

各地から伝説の勇者を探し出す旅人が次々と出現していた。

この世界の最も東に位置する島に聖者たちが住まう霊山があった。
そこからも一人の青年が、伝説の勇者を求めて旅立った。
この者には治癒と守りの霊力があった。

しかし、旅に出て程なくして、彼は霊力を失ってしまう。
聖アメデの洞窟で、女を愛してしまったためである。

この物語は、この男のその後の冒険譚である。