げーこげーこ、


声が聞こえる。


げーこ、げーこ、


それは段々近くなってきて。


げーこ、げーこ!


遂には耳に突く大きさにまでなった時、


「あーもう!
五月蝿いっ!」


あたしは飛び起きた。


と同時に視界に飛び込んで来たのは
刺す様な陽射しと、佇んで居る更地の風景だった。


夏の初めのせいか辺りはすっかり明るく、太陽は高く昇っている。


鞄から携帯を取り出すと時刻は午前6時25分。


まだ起きる時間には少し早い。
いつもならベッドの中でぐっすりの筈。


それなのに目覚めてしまったのは――