-- 捕まった。許しを乞いながら脳が絶望にまみれた。 柊様ではなかったのは不幸中の幸いか。いや、不幸に幸い等ない。 「雛様。部屋に戻りましょう」 昨日の人よりも更に若い女が言う。無表情に、残酷に。 嫌だ嫌だと首をふっても、女の人はまるで機械かのように戻りましょうとしか言わない。 気味が悪い。誰も彼も気味が悪い。 「な、何で貴方はこんな所に……?」 「雛様。いい子ですから戻りましょう?」 ほら、おかしい。