―新たな一歩―





先生が田辺さんと話してくれた。




田辺さんは、ただの教え子で、先生に好意は持っていないという。






それ以上、想像しても辛くなるだけ。




本人がそう言うならそれを信じるしかない。




先生がせっかく頑張って話してくれたんだもん。




もういいの。








「あ、おはようございます。ごめんなさい。ご主人のこと、実は知ってたんです。教えてもらったことなかったから、知らないかな~と思って黙ってたんだけど、気を悪くしないでね。変に知り合いだとお隣だし、付き合いにくいかなと思って。それに、奥さんも嫌かな~とか思って・・・・・・」





やましいことがある人は喋りすぎると言うけど、まさにそれ。



何も聞いていないのにベラベラ話して・・・・・・