あたしには、面倒だと思うことが結構ある。
一つ目は椎のお世話。
ものすっごく面倒。
朝起こすのもあたし。
学校に行く準備をするのもあたし。
そんな椎の側を離れずにいるから、1つの問題が生じる。
「ねぇ。前に言ったこと、覚えてる?」
女子のリーダーみたいな女の子が、腕組みをしてあたしを睨む。
金色に近いブラウンの髪を、くるくる巻いている。
あーあ。髪の毛がこんなに痛んじゃって。
この学校にいるってことは、一応お嬢様なんだから注意しないと。
こんなに心配しているのに、彼女は睨んだまま。
しかも、後ろにも同じような女の子たちがずらりと並んでいる。