戻された場所は、なぜか病院だった。

なんで病院?

しばらく悩んだあと、ハッとして、霊安室へ向かった。

霊安室の扉の前で、誰かの声が聞こえた。

「ゆいィィィィィィィィィ。」
苦しそうに、悲しそうにその人は、横たわる人の名前を呼ぶ。
宏介…。

私の愛しい人。

私が初めて…そして、生涯をかけて愛した人。

もう二度と、触れることは出来ない。

声をかけることも、隣を歩くことも、その瞳をみつめることもできない。

私は泣いた。

扉の前にたたずみ、1人なき続けた。