達哉がS高に行って、神崎をボコボコにした日から3日。あの日から、達哉の様子がおかしい。


「あの日からおかしいんだよ、達哉が。どうしよう、向井君ー」


達哉がトイレに行っている間に、向井君に相談しているところだった。


「おかしいって何だよ? 別に普通だっただろ、俺から見ても違和感とかなかったし…」


向井君は気がつかなかったらしい。まぁ、仕方ないと思う、あたしへの態度だけが、おかしいんだから。


「あたしにだけ、態度がおかしいのっ! 目も合わせてくれないし、手も繋いでくれないんだから!」


帰るとき、あたしのクラスまで迎えに来るのだけど、帰り道には会話すらない。

ただ、離れて歩いているだけだ。そんなの、付き合ってるって言えないよね?


「倦怠期じゃねぇの? まぁ、達哉に限ってそんなことはないと思うけど…」


「だよねっ、達哉に限ってそんなことないよねっ。だったら何で……」


考えても、理由が分からない。あたし、何かしたっけ? もしかして、この間S高行ったときの変な態度が原因?


「あぁぁぁぁー………あたしは全然気にしてないのにー…」


机にうなだれる。

あのとき、あたしには向けなかった表情を見たとき、少し驚いたけど全然気にしてない。

怒らせたのはあたしだし、逆にあたしに対して怒らないのは変だと思う。