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家に帰って梓がいないと
わかった時、オレは、全身の
血が一気に冷たくなって
いくような錯覚に襲われた。



会食は予想外に早く終わり、
『今から帰る』と梓に
メールをしたのは、10時の
ことだ。



返信がなくちょっと気に
なったものの、風呂に
入ったり、うたた寝を
していたということは
過去にも何度もある。


だから、この時はまだそれ
ほど気にはとめていなかった。



今夜いた店は家から比較的
近い所だったから、タクシーで
30分もするとすぐに家に着く。


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