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「はぁ……」



一人になると、無意識の
うちに大きなため息が口を
ついて出た。



その重苦しさに、自分でも
ちょっとギョッとしてしまう。



(ため息なんてついてる
場合じゃないでしょ。

今は仕事中なのよ、梓)



柊弥は専務と打ち合わせ
中で、いくら部屋に一人
きりだからって、こんな
ことじゃいけない。



今は仕事に集中しなきゃ。

こんなふうにボーッと
してたら、大きなミス
だってしかねない。



そう思うのに……どうしても、
あたしの心は晴れなかった。


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