ケータイ小説 野いちご

現代花魁道中

タイトル未編集

朝焼けと夕焼けが近くなったのを実感し…寒さに凍えながら雨戸を開ける。
「だぁだ だぁだ ぎゃー」と唯が朝ごはんをねだっている。
「ちょっと待っててね」と言って、台所に向かい、食パンにチーズをのっけてトースターに入れ、焼いている間にお湯を沸かしラフランスを剥く。

熱くて甘い紅茶をすすりながら唯に朝ごはんを食べさせるのが私の日常の始まりだ。

10年前には思いもつかないシアワセな光景が今ここに在る。



―10年前―

幼い頃からPTSDという精神病を抱えていた私は通信制の高校へ通う16歳の冷めた高校生だった。
父は私が中学3年生の時に自主退職をしひきこもり。
母は専業主婦。
姉2人は働いて遊んで寝るためだけに家に帰ってきてた。

高校には2人の親友がいてスクーリングの晴れた日は中庭でおしゃべりするのが日課だった。
メイクを直したり写真をとったりしながらのおしゃべりは最高だった。
そんな日の空はいつも綺麗すぎるくらいの青で大好きだった。

いつからだろう…
そんな青い空が灰色に見えるようになったのは…

ある日。
「10万円貸してくれないか」
と父に言われた。
疑問を抱きもせずに貸した。
それはうちの生活費に回されていた。
母はもちろん知らない。
そんな中、うっすらとうちの生活は厳しいのかなと感じていた。

18歳になり勉強にも余裕が出てきたのでアルバイトを始めることにした。
近所の本屋さんに求人募集がしてあり受かったのだ。
主に土日の昼間だけ。お小遣稼ぎには充分だった。
ブランド物に興味があるわけでもなく、友達と遊びに行くわけでもなかったからだ。
平日の昼間は毎日レポートに追われ、レポートを全て提出した頃には2学期の期末試験の勉強。3学期には再提出のレポートと期末テストが控えていた。

今年も単位を落とさずに進級できそうだな…1年生の時は2単位落としたから4年制になったからなぁ〜
なんて余裕でスクーリングに参加すると
路頭に迷う2人が私の目の前に座っていた。
親友の幸子と優花だった。
今年卒業予定にもかかわらずレポートは再提出ばかり、テストも追試ばかりらしい。

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