「そろそろ部活に行かないと」

部活はとっくに始まっている時間だった。

これ以上、彼女に付き合ってやることはできない。
俺は中村の肩を掴んで離れさせた。

「今日、先生の家に行ってもいい?」

「だめだ」

「じゃあ部活が終わるの待ってる」

俺はため息をつく。

「俺たちはもう終わったんだよ」

俺はそう言ってその場を立ち去った。

山田は俺たちを見てどう思っただろう、それだけが気になった。

もし、さっき引き止めて説明したところで山田を困惑させただけだろう。
彼女には何の関係もないのだから。

ただ、誤解されるのは辛かった。