二日後……



「はあ……」


 今日も俺はカフェでバイト。

 今日の俺は、切ない。ため息ばっかり出る。



「おい、沖田。今日何度目だよ。そのウザい態度やめろ」

 休憩中、大川先輩に言われた。今日も大川さんと同じシフトだ。


「すみません……でも、今日はちょっと……」


「何だ? また彼女絡みか? あ、とうとう彼女と別れたか」


「違いますよ! しかも何でちょっと嬉しそうなんすか!」

 失礼な大川先輩に俺は思わず大きな声を出してしまった。


「おい。客もいるんだから静かにしろよ。……ったく。お前が彼女と別れたらもうウザいぐらいのノロケ話聞く必要もなくなるからな」


「なんだ。ひがみですか」


「おっ前……」

 先輩のこめかみが引きつった。


「彼女いるやつのそういう台詞が一番ムカつくんだよ……!」

 最小限の声で言いながら、先輩は俺の頬を思いっきりつねった。


「いててててっ! すんません! すんません!」

 あまりの痛さに俺は必死に謝った。



 ちなみに、大川先輩は、ここ暫く彼女と長く続いてないらしい。そして、今はフリーだ。



「何か言ったか?」


「言ってませんて!」


 心の声まで聞こえたのか……恐ろしい。