春は出会いの季節とはよく言うが、
あたしはこの言葉にトンと縁がない。
「では、自由に学園を拝見していってください。」
いわれるまま学園に1人踏み込んだ。
私、斗羽恋華【とばれんげ】は今年からこの学校に入学する。
高校2年生からこの鳳雛学園に転入。
前の学校は公立高校だったので学園の大きさが
より大きく感じられる。
気づくと私は音楽室と書いてある教室の前に
立っていた。
ずうずうしい私は入るのに躊躇することなく入った。
音楽室は普通の教室よりははるかに大きく
その上ピアノ1台と死角の窓側にひとつ
ソファーが置いてあるだけだった。
ソファーは高級さが一目でわかるほどだ。
座ると、とてもふわふわしていて
すぐに眠りについてしまった。