はぁ、とため息を吐いて、ペンを置いて机に突っ伏する。


「集中力ねーな」


ちょっと笑いながら、君は小声で言う。

さっきから5分おきくらいにこれを繰り返してるから、そう言われても仕方ない気がするけど。


全く、誰のせいだと思ってるんですか。


焦がれに焦がれた存在が、いま、隣にいる。

軽く、肘と肘が触れている。


ほんとうに、心臓に悪い。


ダイニングテーブルのような大きさの図書館の机は4人用で、私と、彼と、彼の前には、調べ物をしているおじさんが座っている。

客観的に見て、私達はどんな風に見えるのかな。


カップル?

ともだち?

他人?


いちばん最初だったら嬉しいけど。

いや、でも、客観的に、なんかより、彼から見た私の存在の方が知りたいんだけど。


「うー…」


胃が、ぐるぐるする。

また、机に突っ伏した。


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